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第23回防水工事雑学講座~端末・立上り・笠木・パラペットの納まり~

皆さんこんにちは!

有限会社ベストテクノ、更新担当の中西です。

 

雨は端から入る。面(床)をどれだけ丁寧に仕上げても、端末・立上り・笠木・パラペットのディテールが甘ければ漏れます。本回は「水返し」「二面接着」「返し・段差・勾配」「金物の伸縮」といった原理原則を、ウレタン/FRP/シート/アスファルト各工法に横断適用できる“勝ちパターン”として整理します。

 

1. 基本原則—“水を止める”の三階層
1. 形で止める(形状止水):水返し・ドリップ・折返し・勾配で、毛細管・逆流・滞留を起こさせない形。
2. 材料で止める(防水層):床→立上り→端末が連続していること。端部は補強布や役物で応力分散。
3. シールで止める(二次止水):二面接着・バックアップ材・目地幅の適正化。シールは最後の守備であって単独の防水ではない。

 

2. 立上りの高さ・折返しと“見えない水返し”
• 高さ:外部は200mm目安(最低150mm)。掃き出しサッシ・勝手口の低いしきいは、水返し金物で代替的に高さを確保。
• 折返し:立上り上端は面一で切らない。被せ・返し・見切り溝(レグレット)で毛細管上がりを遮断。
• 見えない水返し:サッシ下端が低い場合、溝型見切り金物+水返しをサッシ下に潜り込ませ、床側へ折り返して返水を止める。

 

3. 笠木(キャップ)とパラペット—“裏の水”を制する
• 勾配:笠木天端は内外どちらかへ1/50以上の勾配を必ず付ける。フラットは厳禁。
• 端部処理:エンドダム(端部立ち上げ)で端からの横溢れを止める。
• ドリップ:裏面折返し+ドリップ溝で外壁を汚さず、戻り水を止める。
• ジョイント:水下を避けて配置し、カバー板+二次止水(ブチル・シール)で段葺き的に。
• 伸縮:金物は温度伸縮を吸収する継手(スリップ)を3〜4mピッチで設置。固定点と可動点を設計で分ける。
• 固定:目地から離した位置にビス。座金水溜まりを作らない。ステンレス・アルミ・ガルバの異種金属接触腐食にも注意。

 

4. 端末のつくり方—素材別の“勝ち手順”
4-1. ウレタン塗膜
1. 入隅R成形(10〜20mm)→先行補強布。
2. 立上り2倍理論で増し塗り → 面と連続被覆。
3. 上端は押え金物orレグレットで機械的に止める。仕上は二面接着で。
4-2. FRP
1. 樹脂パテでR成形→CSM300→450の順で追従+厚み。
2. 立上り上端は見切り金物に被せ納め。
3. ドレン・貫通周りは+1層積層。
4-3. シート(PVC/TPO/EPDM)
1. 立上りは一体成形コーナー+シーム二重化。
2. 上端は押え金物+水返し形状、ホットエア溶着(PVC/TPO)or プライマー+テープ(EPDM)。
3. ルーズラップ・ブリッジで躯体の動きを逃がす。
4-4. アスファルト
1. 入隅補強シート→本体→キャップの三重。
2. 端末は改質アス+押え金物でビード連続を確認。
3. 小口・水下は段葺きで水路を作らない。⬛

 

5. シーリング—“二面接着”を守る ✍️
• バックアップ材(発泡ポリエチレン等)で目地底を切る→二面接着。三面は早期破断の原因。
• 幅/深さ:一般外装でW:D ≈ 2:1目安(例:W10〜20mmに対しD5〜10mm)。
• 可とう性:動きが大きい取り合いは高変位型、笠木ジョイントは低弾性で追随。
• プライマー:下地別に選定(第5回)。オープンタイム厳守。
• 換気:室内側作業は換気・VOC配慮。‍

 

6. レグレット(溝)・押え金物—“機械で止める”の基本
• レグレット:モルタル目地や笠木側面に溝切り→防水端末を差し込み→シール封止。毛細管上がりを物理的に止める。
• 押え金物:テーパーワッシャ+防水ネジで300〜450mmピッチ固定。上端は返しで水が乗り越えない形状に。
• 端部シールは二面接着で二次止水。

 

7. ドレン・オーバーフロー・スカッパ—“出口”の信頼性
• ドレン:改修用ドレン+機械固定+止水材。サドルで逆流防止(第3回)。
• オーバーフロー:主要ドレンが詰まっても室内へ行かない高さに。吐出口の意匠(外壁汚れ対策)も配慮。
• スカッパ(外部側溝吐出):三次元コーナーは成形役物+補強で二重化。
• 清掃性:ストレーナは着脱容易。点検口・はしご動線も設計の一部。

 

8. しきい・サッシ・ドア下—“低い”を安全側に
• 防水立上り<サッシ下端のときは水返し金物+溝型見切りで隠れ立上りを作る。
• ドアしきいは水返し段差+ドリップ。フラットは不可。
• サッシ両端は二面接着+背面材、外側水下側にジョイントを置かない。

 

9. 金物の材料・防食—“長寿命の基礎体力”
• 材料:ステンレスSUS304/316、アルミ合金、溶融亜鉛めっき鋼板(t=0.8〜1.2mm目安)。
• 異種金属接触腐食:絶縁テープ・座金で界面を切る。海岸・工業地帯は耐食グレードを上げる。
• コーキング頼み禁止:形+機械固定+二次止水の三重で。

 

10. 品質管理(ITP)—“写真と言葉で再現可能”に
• 図面:端末・笠木・ドレン・スカッパ・貫通のディテール図を配布。
• 写真標準:広角→中景→寄り→ディテール(レグレット断面・金物断面・シール裏面)→検査数値(ゲージ・トルク・ピール)の順で“誰が見ても同じ結論”。
• 合否の言語化:
o 立上り高さ:外部200mm目安(最低150mm)を満足。

o 金物:水返し形状+返しがあり、ビスピッチ300〜450mm、座金の水たまり無し。

o シール:二面接着でW:D≈2:1、プライマー有、端末気泡・ピンホール無し。

o ドレン:改修用ドレンは機械固定+止水材、サドル形成、ストレーナ低背。

 

11. ケーススタディ
11-1. 低いしきい×掃き出しサッシ(外部200mmが取れない)
• 状況:ベランダの床からサッシ下端まで90mmしかない。強雨で浸入。

• 対策:サッシ下に溝型見切り+水返し金物を差し込み、床側へ折返しを形成。床は局所段差を設け見えない200mmを確保。

• 結果:台風時も浸入ゼロ。見た目はフラットのまま機能的高さを実現。
11-2. パラペット笠木の“裏の水”
• 状況:笠木ジョイントからの裏回りで外壁にシミ。

• 対策:笠木を勾配1/50で再製作、エンドダム追加。ジョイントはカバー板+ブチルで段葺き。固定点/可動点を分離。

• 結果:裏水解消、外壁の汚れ筋も消失。
11-3. 端末金物依存の漏水
• 状況:シール頼みで端末が早期劣化。

• 対策:レグレット差込み+押え金物+二面接着の三重化。毛細管上がりを形で遮断。

• 結果:以降の定期点検で再発なし。

 

12. 現場5分チェックリスト ✅
☐ 立上り高さ(外部200mm目安/最低150mm)を満たす代替案(見えない水返し)
☐ レグレット or 押え金物のどちらで機械止水するか

☐ 水返し・ドリップ・エンドダムの有無と形状

☐ シール二面接着:バックアップ材・プライマー・W:D

☐ ドレン:改修用・サドル・ストレーナ・OF高さ

☐ 金物伸縮:固定点/可動点の設計分離

☐ 異種金属接触腐食の回避(絶縁・材料選定)

☐ 写真標準と合否の言語化の用意

 

13. まとめ—“形×材料×シール”の三段守備で漏らさない
端末・立上り・笠木・パラペットは、形で止める→材料で連続→シールで保険の三段守備が基本。水返し・ドリップ・段葺きで毛細管・裏水・逆流を断ち、機械的固定とレグレットで再現性を担保する。数値と写真で誰でも判定できる資料化まで到達して、ようやく“止め切った”と言えます。

 

次回予告:「第12回 ベランダ・バルコニー防水の注意点」—しきいが低い/手すり脚が多い/人が歩くという三重苦を、排水・端末・防滑・ディテールで攻略します。️

 

 

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